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学術集会・セミナー 今回

第27回日本心電学会学術集会のご案内(第3報)


第27回日本心電学会学術集会は下記の通り開催される予定です。

会 期:平成22年10月8日(金)~9日(土)
会 場:大分全日空ホテルオアシスタワー、iichiko総合文化センター
会 長:犀川哲典(大分大学医学部臨床検査診断学)

プログラム(概要)

上田英雄記念講演
演者:Sami Viskin(Tel-Aviv Sourasky Medical Center, Sackler-School of Medicine, Tel Aviv University, Israel)

山田和生招聘講演

Mark R. Boyett(Cardiovascular Medicine, School of Medicine, University of Manchester, Manchester, UK)

特別講演Ⅰ

演者:Peng-Sheng Chen(Krannert Institute of Cardiology, Department of Medicine, Indiana University School of Medicine, Indianapolis USA)

特別講演Ⅱ

演者:Josep Brugada(Thorax Institute, Hospital Clinic, University of Barcelona, Institut de Investigació Biom èica August Pi i Sunyer, Barcelona, Spain)

学術諮問委員会提言シンポジウム(一部指定・公募)

「心不全にともなう不整脈の治療戦略」
座長: 小川 聡(国際医療福祉大学三田病院)
  萩原誠久(東京女子医科大学循環器内科)
座長の言葉
心不全患者には上室性、心室性を含めた様々な不整脈が合併する。心房細動は心不全の進行に伴い頻度が増加し、また心房細動の合併は心不全の増悪因子にもなる。心室性不整脈、特に非持続性心室頻拍は心不全患者の40%以上に合併し、重要な予後規定因子となる。心不全患者の死因の1/3以上は心臓突然死であり、その殆どは心室細動(VF)または心室頻拍(VT)が原因である。したがって、慢性心不全患者における不整脈の管理は生命予後改善のためにも重要な課題である。致死性不整脈治療として、従来の下流治療である抗不整脈薬の限界が指摘されており、植込み型除細動器(ICD)が確実な予後改善治療として位置付けられつつある。一方、心不全に伴う交感神経、レニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン(RAA)系の活性化、Caハンドリングの異常およびイオンチャネルの電気的リモデリングなどは異常自動能やリエントリー性不整脈を惹起する。従って、これらの因子の是正も致死性不整脈の上流治療となる。本シンポジウムでは心不全に伴う不整脈の基礎、薬物療法、非薬物療法および上流治療に関して最新の知見を発表して頂き、今後の新たな展開を議論する。

学術諮問委員会指定トピックス(一部指定・公募)

「高齢者の不整脈治療」
座長: 大内尉義(東京大学大学院医学系研究科・医学部加齢医学講座)
  加藤貴雄(日本医科大学内科学〔循環器・肝臓・老年・総合病態部門〕)
座長の言葉
臨床現場におけるさまざまな不整脈の治療は、最新の薬物・非薬物療法に関して日本心電学会や日本循環器学会によって数年ごとに改訂される治療ガイドラインに則って行われている。改訂の度に従来の治療法が見直されるとともに新しい概念の治療法が加わり、これらのガイドラインも複雑で多様化してきたが、高齢者における不整脈に限定した記述は決して多くない。一方、団塊世代の高齢化とともに世界に類を見ない高齢社会を迎えたわが国においては、今後治療を必要とする不整脈を有する高齢患者が急激に増加することが予想される。このような社会的背景を踏まえて、日本心電学会学術諮問委員会の提言を受け、特に高齢者における不整脈治療の特徴、留意点、若年者との相違などに焦点を当ててパネルディスカッションを行うことを企画した。
第一線の研究者による最新の研究成果の報告とディスカッションの中から、高齢者の不整脈に対してより安全で効果的な治療法確立への道筋が明らかになることを大いに期待するものである。

シンポジウム

「心房細動治療の“そもそも”:治療する目的は?そのための標的は?」
座長: 山下武志(財団法人心臓血管研究所)
  高橋尚彦(大分大学医学部臨床検査診断学講座循環器内科)
座長の言葉
心房細動治療は今変革のステージにある。歴史を紐解けば、Vaugham-Williams分類に代表される「経験則の時代」、Sicilian Gambitに代表される「理論先行の時代」を卒業して、新しい時代に入っていることが確実である。これまでの理論が現実と異なることを指し示したAFFIRM study、AF-CHF study、GISSI-AF studyなど数々の大規模臨床試験、発生・解剖学に基本をおく非薬物療法の優位性、これらはすべて新しい「患者アウトカムの時代」が訪れたことを教えてくれている。
しかし、一方で我々は今何をなすべきかについて明確な答えをもっていない。「そもそも」に立ち戻る必要すらある。そもそも何を目的に治療すればよいのか?その目的が達成される様子をどのような指標でモニターすべきなのか?さらにその目的に沿った治療標的は何なのか?本シンポジウムではこの時代におかれた心房細動治療の「そもそも」を議論したい。若い世代の新しい考え方の提起を期待している。

パネルディスカッション

「心臓再同期療法:電気的同期と機械的同期」
座長: 青沼和隆(筑波大学大学院人間総合科学研究科循環器内科)
  尾辻 豊(産業医科大学医学部第二内科学)
座長の言葉
心臓再同期療法が盛んに行われるようになった。「左脚ブロックに伴う左室側壁・自由壁の収縮遅延を左室側壁・自由壁を含めた複数個所の心室ペーシングで治療する」という基本概念に基づいた治療である。実際に左脚ブロックを伴う心不全例の多くは軽快する。
しかしながら、全例に有効というわけではなく、おおよそ7割がResponderとなり3割はNon-responderとなる。ResponderとNon-responderの鑑別は、治療の適応基準からも重要な課題である。基本概念からすると心室内の機械的な収縮遅延がキーポイントであり、機械的非同期を評価して機械的同期を目指した治療が良いということになる。心エコー等で心臓の機械的非同期を評価する試みが華々しかったが、PROSPECT研究でこれらの有用性は否定された。そのために、現在においても心電図QRS幅を用いた電気的同期・非同期によってのみ心臓再同期療法の適応を決定しており、QRS幅以外に有効なResponder・Non-responderの評価法が確立されていないことが問題である。両室ペーシングという機械的治療をするのに、機械的な局所運動の評価が十分ではない印象を受ける。このように心臓再同期療法には神秘が多い。
このパネルディスカッションでは、心臓再同期療法に対する様々な取り組みを発表していただき、少しでもこの治療の改善に貢献したい。

Asian Symposium

「Diagnostic and Therapeutic Assessment of  Idiopathic Ventricular Fibrillation」
座長:池田隆徳(杏林大学医学部第二内科)
座長の言葉
特発性心室細動をきたす疾患としてBrugada症候群があり、心電図の右側胸部誘導で右脚ブロック様のcoved型ST上昇を示すことはよく知られている。このような心電図変化とは別に、下壁あるいは側壁誘導でJ波と呼ばれる小さな波形が、特発性心室細動の発現に関与することが報告されている。一般に、QRS波が異常をきたせば脱分極異常、ST部分あるいはT波が異常をきたせば再分極異常と判断される。多くの報告では、J波を“early repolarization”というように、再分極異常としてとらえている。しかし、J波はQRS波終末部に記録される波形であるため、考え方によっては脱分極異常ととらえることもできる。近年、欧米のみならずわが国を含めたアジアからも、この特発性心室細動に関しての新しい知見が数多く報告されている。臨床的特徴、診断方法、あるいは治療方法などにおいてもBrugada症候群と類似する点が多く、その違いについても議論されている。
本シンポジウムでは、まずBrugada先生に特発性心室細動に関してshort lectureしていただき、その後、韓国、台湾、ベトナム、そして日本から特発性心室細動の診断法あるいは治療法などに関する最新の研究結果を発表していただき、アジアにおける特発性心室細動の特徴と管理について論議してみたい。

ラウンドテーブルディスカッション

「心電現象と性差‐不整脈診療に性差の視点を活かす‐」
座長: 丸山 徹(九州大学健康科学センター健康科学第2部門)
  中川幹子(大分大学医学部臨床検査診断)
座長の言葉
近年、性差医学・医療の概念が広まり、循環器疾患においても最近10年余りの間に性差に関する基礎的・臨床的研究が飛躍的に進歩した。本邦でも日本循環器学会による「循環器領域における性差医療に関するガイドライン」が今年発表される予定あり、性差の概念が循環器診療にも導入されつつある。一方、心電図の各指標に男女差があることは古くから認識されていた。例えば心室再分極時間を表すQT時間は成人女性が男性より長く、QT延長症候群が女性に多い理由の一つと考えられている。このような性差は思春期以降に出現することより、性ホルモンのイオンチャネルや心電現象における重要な役割が推測され、近年それを裏付ける多くの知見が発表されている。一方、Brugada症候群や特発性心室細動との関連で最近注目されている早期再分極症候群は圧倒的に男性優位である。また最も臨床的に遭遇する機会の多い心房細動も男性優位であるが、それらの性差が生じる機序に関してはまだ不明な点も多い。本セッションでは、種々の心電現象に関する性差の問題を遺伝子、イオンチャネルから心電図、そして臨床不整脈に至るまで幅広く議論し、実際の不整脈診療に性差の視点をいかに活かしていくかについて考えていきたい。

その他:

Student Session、公開講座、ランチョンセミナー、モーニングセミナー、ファイアサイドセミナー、心電学フロンティア2010(第45回理論心電図研究会)、市民公開講座 論文賞
◆日本心電学会学術奨励賞(論文発表と選考)
   選考委員長 中谷晴昭(千葉大学大学院医学研究院薬理学)
◆医科学応用研究財団助成による日本心電学会論文賞(論文発表)
   選考委員長 奥村 謙(弘前大学大学院医学研究科循環呼吸腎臓内科学)
◆日本心電学会誌最優秀論文賞(論文発表)
   選考委員長 児玉逸雄(名古屋大学環境医学研究所 心・血管分野)


連絡先:
〒879-5593
大分県由布市挾間町医大ヶ丘1丁目1番地
大分大学医学部臨床検査診断学講座 第27回日本心電学会学術集会事務局
担 当:高橋尚彦
TEL:097-586-6166 FAX:097-586-6289
E-mail:jse2010@med.oita-u.ac.jp

日本循環器学会認定循環器専門医資格更新研修単位は、本学会参加により自己申告制にて3単位が認められます。